風流踊とは
風流踊とユネスコ無形文化遺産
【風流踊とは】
華やかな、人目を惹く、という「風流」の精神を体現し、衣装や持ちものに趣向をこらして、歌や笛、太鼓、鉦などに合わせて踊る民俗芸能です。除災や死者供養、豊作祈願、雨乞いなど、安寧な暮らしを願う人々の祈りが込められています。祭礼や年中行事などの機会に地域の人々が世代を超えて参加します。それぞれの地域の歴史と風土を反映し、多彩な姿で今日まで続く風流踊は、地域の活力の源として大きな役割を果たしています。
「風流踊」は、広く親しまれている盆踊や、小歌踊、念仏踊、太鼓踊など、各地の歴史や風土に応じて様々な形で伝承されてきました。「風流踊」は、世代を超え、地域全体で伝承されていることから、地域社会の核ともなる役割を果たしています。その起源は中世に由来し、時代に応じて変化しながら、今日まで伝承されています。長い伝統を背景に、特に災害の多い日本では、被災地域の復興の精神的な基盤ともなるなど、文化的な意味だけでなく、社会的な機能も有してきました。
【ユネスコ無形文化遺産とは】
ユネスコは、国連の中で文化・教育・科学技術等を所掌する国際機関です。
世界遺産条約が対象としている有形の文化遣産と並び、無形文化遣産も国際的に保護しようとする意識の高まりの中、2003年に「無形文化遺産保護条約」が採択されました。この条約では、口承による伝統及び表現、芸能、社会的慣習、儀式及び祭礼行事、自然及び万物に関する知識及び慣習、伝統工芸技術といった無形文化遺産について、締約国が自国内で目録をするなどの保護措置をとることとなっています。
また、国際的な保護として、「人類の無形文化遣産の代表的な一覧表」等の作成、国際的な援助等が定められています。
2009年にこの代表一覧表に記載された「チャッキラコ」を拡張し、2022年、モロッコで開催されたユネスコ政府間委員会において「風流踊」として、全国41件の民俗芸能が代表一覧表に記載されました。
【全国民俗芸能「風流」保存・振興連合会とは】
日本各地で伝えられてきた民俗芸能は、担い手の減少や高齢化により、保存継承が困難になっており、大きな課題となっています。「風流」に分類される民俗芸能も同様であり、この課題を解決する一助となるよう、民俗芸能「風流」の保存・振興を図るとともに会員相互が交流を促進し、地域の活性化を図ることを目的として設立されました。
全国の個性豊かな民俗芸能「風流」は、持続可能な地域社会の魅力のひとつであり、その継承に向けて活動しています。